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【体験レポート】赤坂『TAKAZAWA』にて開催された、アメリカン・エキスプレスのプライベートペアリング会へ

【体験レポート】赤坂『TAKAZAWA』にて開催された、アメリカン・エキスプレスのプライベートペアリング会へ

2019年11月24日、アメリカン・エキスプレスの限られたカード会員様限定で、一夜限りの特別イベント「プライベート ペアリング会」が開催されました。主催はポケットコンシェルジュ。

料理は、『TAKAZAWA』のオーナーシェフ・高澤義明さんが、この日のために準備したメニュー、そしてペアリングのドリンクは、2017年に『World’s 50 Best Sommeliers』の一人に選出された若きソムリエ梁世住(やんせじゅ)さんとソムリエでもある高澤シェフが厳選したワインで構成されています。本編では、そんなお二人の素晴らしいコラボレーションの様子をご紹介します!

【体験レポート】赤坂『TAKAZAWA』にて開催された、アメリカン・エキスプレスのプライベートペアリング会へ

参加費はなんと10万円。しかし、メニューを開くとワイン好きなら飛び上がって喜んでしまうような内容となっていました。梁さんに伺ったところ、このワインラインナップを普段お店で注文すると総額100万円以上になるそうです。


それもそのはず、長い間高澤シェフが温めていた秘蔵っ子ワイン達を思い切って今回のワイン会で提供されたとのこと。それに合わせるお料理も、ソムリエの資格があるシェフだからこそできる、正に“マリアージュ”を体感させるものでした。

この体験を10万円で味わえるのは、お得感さえ感じられます。

それでは、お料理とワインの内容をレポートしたいと思います。


1. 「上海蟹の冷たい小籠包」ペアリング: Bollinger,R.D. 1982

まず初めの前菜は、季節ものの上海蟹。シェフから一口でお楽しみください、と説明を受けます。口に含むと薄く冷たい小籠包の皮が弾け、中から濃厚な上海蟹のソースが溢れうま味が一気に広がります。しばらくその余韻を楽しみ、シャンパーニュを味わう。黄金色に輝くねっとりしたルックス、グラスに鼻を近づけるとその複雑かつ官能的な香りに興奮します。
ごくり。合わないはずがありません。


2. 「ラタトゥイユ」ペアリング: Domaine de Chevarier, Blanc 2010

通常ラタトゥイユは一つの鍋で一度に様々な野菜を調理しますが、『TAKAZAWA』さんではそうではありません。2日間かけそれぞれの野菜ごとに最も適した調理法で仕込み、写真のように、サラダのような、テリーヌのような見た目に仕立てます。こちらも一口で。んん!これは!噛むたびに味わいが驚くほどに変化する!決して何か一つが主張しすぎることはなく、お互いが支えあいハーモニーを奏でるようでした。そしてこちらに合わせるソーヴィニヨンブラン主体のグラーヴの白ワインはハーブや柑橘類のニュアンスをもち、ラタトゥイユの余韻を上品に包み込んでくれます。

3. 「沖縄のあぐー豚のリエットと自家製パン」

十勝の自然農法の貴重な小麦と日本三大薬湯松之山温泉の天然酵母を使用したパンは小麦由来の香ばしさと柔らかさを兼ね備えたこだわりの詰まった一品。それと合わせて出てきたのはバターではなく沖縄のあぐー豚のリエットです。舌触り滑らかなリエットはあぐー豚のうまみを感じさせ、自家製パンとの相性もばっちり。パンに至るまで、すごくこだわっています。少しずつつまみながら次のお皿を待ちました。

4. 「香川県産キャビア 高級卵かけご飯」ペアリング: Vouette et Sorbee Blanc d’Argile NV

上にふわりと乗っているのはライスペーパーを揚げたもの。この下にキャビアを含むイクラや海ブドウ、半熟のうずらなど様々な卵があり、豪快に混ぜていただく高級TKG(卵かけご飯)。他にもチョウザメの身やスミイカ、そしてライムを使用し、口に運ぶたびに違った味わいを楽しめました。聞いているだけでよだれが溢れそうな一品に合わせるのは酸化防腐剤不使用のシャンパーニュ。ソムリエ梁さんは「本来シャンパーニュはキャビアには合わない」と前置き「それはシャンパーニュに含まれる防腐剤がどうしても海鮮の生臭さを際立たせてしまうから」と続けます。しかし、今回合わせるシャンパーニュはそれに該当しません。ビオディナミで作られたシャルドネ100%のこちらは、えぐみや雑味を感じさせることなくお料理を際立たせてくれました。

5. 「神経〆した信州サーモンの瞬間スモーク」ペアリング: Kido Winery Merlot2006

お次はなんと先に出すワインが決まり、その後にメニューが決まったという、ワインが主役のマリアージュ。日本らしいワインを作ろうとこだわるKidoワイナリーの2006年。非常に本数が少なく、普段高澤シェフもお客様になかなか提供しない秘蔵っ子なんだそうです。ただでさえ貴重なこちらを10年セラーで寝かせ、今回特別にお披露目。合わせる料理は本日届いたブリブリの神経締めした信州サーモン。瞬間燻製してあり、料理が運ばれてきたそばからいい香りが部屋を満たしました。

6. 「白トリュフの手打ちパスタ”タヤリン”」ペアリング: Ch.de Beaucastel, Châteauneuf-du-Pape Blanc “Roussanne Vieille Vigne” 1999

パスタはこの季節にぜひ味わいたい白トリュフのタヤリン。合わせるワインは南仏シャトーヌフ=デュ=パプの土着品種ルーサンヌを使った白。美しい黄金色のワインからは花や果実、蜂蜜のアロマを感じることができとてもエレガント。白トリュフのもつ複雑で芳醇な香りとの相乗効果は最高でした。

7. 「黒毛和牛のタタキと佐渡産ル・レクチェ」ペアリング: Weingut Nikolajhof, Grüner Veltliner Smaragd “Im Weingebirge”

お次はオーストラリアのグリューナーフェルトリーナーを使った白ワイン。その強く、まるでラ・フランスを丸ごとかじったかのような強い印象に衝撃を受けます。出てくるお料理もル・レクチェという豊かな甘さと滑らかな食感が特徴の西洋梨を使っています。黒毛和牛の脂の甘さと塩気がフルーツの良さをさらに際立たせます。ル・レクチェとお料理とワイン、それぞれから感じる素敵なペアリングでした。

8. 「五島列島産スジアラと赤いサラダ」ペアリング: Domaine Bizot, Grand Cru Echezeaux 1996

こちらのワインの造り手BizotのEchezeaux 2006年ヴィンテージは非常に入手困難。ピノ・ノワールならではの赤果実の香りやスミレ、熟成からなるなめし皮のニュアンス、そして程よいタンニンを楽しめます。こちらの素晴らしいワインに合わせるのはなんとお魚。ソムリエの梁さんは最近の世界的なペアリングは焼いた魚にあえて赤ワインを合わせるのがトレンドだと言います。スジアラは炭で焼き上げ、かんずりを入れた紫のポテトピューレが敷いてあり、サラダはラディッキオやトレビスを使用。炭焼きの焦げ目の苦みや、かんずり由来の甘酸っぱさや唐辛子や発酵のフレーバー、赤サラダの風味がこの複雑かつエレガントなワインと調和し素晴らしいです。

9. 「蝦夷鹿の炭火焼」ペアリング: Dunn Vineyard Cabernet Sauvignon “Howell Mountain”1985

力強いワインのイメージがあるナパバレーですが、それは1990年以降のスタイルだとソムリエ梁さんは言います。今回のナパバレーの生産者は、頑なにクラシカルなスタイルを貫く生産者。本来のナパのスタイルが楽しめます。お料理は高澤シェフがお好きだという蝦夷鹿。北海道十勝のハンターが仕留めた蝦夷鹿を大事にレストランで管理し調理しているとのこと。柔らかくしっとりとした質感とじわりと感じる脂、噛みしめると広がるうま味、そこに流し込む赤ワイン、たまりません。この時期美味しい香茸、舞茸、銀杏は付け合わせとして添えられています。また、紅葉も食べることができるというから驚きです。

9. 「Surprise 〆 Menu」ペアリング:

“デザートやめましょう” 〆を考えるにあたってシェフと梁さんはそう話したそうです。その結果、TAKAZAWAオリジナルカレーとソーテルヌの貴腐ワインという、ありそうでなかったペアリングが生まれました。

最後に可愛らしいミニャルディーズがコースを締めくくります。

なんとも充実した時間でした。高澤シェフと梁さんのこだわり溢れるお料理とペアリングに興奮しっぱなしの2時間半。終わってみるとあっという間でした。

また、こういったコラボ会はオペレーションがたどたどしく、予定よりも長引くことが多いのですが、今回は全てがスムーズかつ丁寧で、ストレスなく食事に集中することができました。なにより、お二人の熱意や情熱を感じ取ることができ、お腹も心も大満足でした。

【文】食いしん坊ゆかさん


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